Incognito                               インコグニート

2026年9月4日発売

SMWSの最新スモールバッチ“ヘレシー”の『インコグニート』は、ウイスキーチームがカスクの管理者という立場を離れ、自ら蒸溜に挑戦することで生まれた、まさにユニークな一例だと、ジュリアン・ウィレムスは語る。

”ヘレシー”シリーズ『インコグニート』は、ウイスキー・チームによる特別な蒸溜によって生み出されたもの

皆さんの中には、2023年のフェスティバル限定ボトルとして登場した、『Dark ‘n’ Stormy Crème Brûlée-ダークアンドストーミークレームドブリュレ』を懐かしく思い出す人もいるだろう。これは、2016年4月にCode:156で行った特別な蒸溜によって生まれたものだ。このボトルは、SMWS独自のバーボンスタイルのマッシュビル(原料配合)を使って蒸溜する特別プロジェクトから生まれたもので、当時、会員から熱狂的な支持を集めた。

ここで朗報がある。新たなスモールバッチ“ヘレシー”ボトリング、『インコグニート』は、まさにその蒸溜によって生み出された、同じ一連のカスクから造られたものなのだ。

前作と同じく、『インコグニート』はアメリカから着想を得ながらも、しっかりとスコットランドに根を下ろしたグレーンウイスキーだ

『インコグニート』は、2023年のフェスティバル限定リリース「Dark ‘n’ Stormy Crème Brûlée」ともつながりの深い一本

スコッチグレーンウイスキーは、ほぼ例外なく連続式蒸溜機で造られている。100%モルト大麦を原料とするような珍しいグレーンウイスキーでさえ、銅製の「ショート」(とはいえ、すべて相対的な話だが)連続式蒸溜機が使われている。

マッシュビル、つまり簡単に言えば、このウイスキーを生み出すための仕込みに使われた穀物の配合も、アメリカのウイスキー蒸溜家から着想を得ている。

まず、主体となるのはトウモロコシで、全体の58%を占める。これがスピリッツに、なめらかで丸みのある風味を与えている。ここで参考にしたのはバーボンのマッシュビルで、アメリカの法律ではトウモロコシを51%以上含むことが定められている。これに、21%のモルト大麦を加える。ウイスキーにフルーティーな風味をもたらす原料として、すっかりおなじみの存在だ。そして最後に、21%の未発芽ライ麦を加える。これがスパイシーな骨格を与え、ローズウォーターを思わせるニュアンスをもたらしている。

「今回は、大西洋を越えたところから少し着想を得ています」と、ウイスキー部門責任者のユアン・キャンベルは語る。「マッシュビルには異なる穀物をいくつか使い、ポットスチルで特別な蒸溜を行いました。グレーンウイスキーとしては珍しい製法です! その後、アメリカのケルヴィン・クーパレージ社製の、24か月間自然乾燥させた新樽のうち、強くチャーしたオーク樽で熟成しました。さらに、樽の内側にトーストした樽材のヘッドを加えることで、より豊かな風味を引き出しています。」

2016年、SMWSのヘッド・オブ・ウイスキー、ユアン・キャンベル。後に『インコグニート』となる特別な蒸溜を見守る

確かに、バーボンの生産者に目を向けてみると、彼らは法律によって、ウイスキーの熟成には新しいオーク樽を焦がしたもの(チャード・ニューオーク)を使用しなければならないと定められている。
しかし、そこにはやはりソサエティらしいひとひねりが必要だった。そこで私たちは、カスクの鏡板をトーストしたものを採用することにしたのだ。これにより、樽材由来の成分をより多く抽出しながらも、樽内部のチャーしたオークの表面積を大きく損なわずに済む。大まかに言えば、樽の70%には強いチャーを施し、残り30%にはトーストしたオークを使用している。

技術的な詳細よりも味わいに興味があるという人のために説明すると、チャーには一種のカーボンフィルターのような働きがある。ウイスキーから「未熟な」風味や荒々しさを取り除くのに役立つ。一方、トーストしたオークにはチャーを施さず、熱処理されたオークの表面を多く露出させることで、樽材から豊かな風味を効果的に引き出せる。なので、これはバーボンではない。紛れもなくスコッチ・グレーンウイスキーだ。ただし、原料や製法、熟成方法には、大西洋を越えたアメリカからの遊び心あふれる着想が取り入れられている。

これらは、この実験から生まれた最後の樽だった。そのため、私としては少し寂しくもある。というのも、これらの樽がさらに何年も熟成を重ね、どのように変化していくのかを見届けたかったからだ。しかし、9年熟成の段階でテイスティングを行ったところ、ウイスキーチームは、それぞれの樽に見られる風味と、香り・味わいに表れた驚くほどの一貫性に強く興味を惹かれた。そこで、残っていた4樽をひとつのバッチにまとめ、SMWSのすべてのウイスキーと同じ厳しい審査にかけることにした。予想どおり、テイスティング・パネルも私たちと完全に意見が一致した。「これはボトリングしない手はない」と、満場一致で力強く支持されたのだ。

このプロジェクト自体は、これで幕を閉じることになる。しかし、なんと素晴らしい締めくくりだろう!

『インコグニート』は、確かなスコットランドのルーツを持つグレーンウイスキー

機会があれば、ぜひこのグレーンウイスキーを試してみてほしい。まずは純粋な好奇心からでいい。しかし、気がつけば、その素晴らしい味わいに惹かれ、グラスを傾けていることだろう。

何より、SMWSが樽の管理者という立場を越え、自ら蒸溜に挑戦したときに何が生まれるのかを示す、ユニークな一例として、手元に置いておく価値がある。借りてきたアイデアと、周囲からの多大な協力の賜物だと言う人もいるだろう。 しかし、それならそれでいい。私はそれを、この『インコグニート』が素晴らしい味わいであることを認めてくれた証として受け取ろう!

商品情報はこちらからhttps://smwsjapan.com/Incognito/product/Incognito/

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